ダニアレルギーの舌下免疫療法
ダニアレルギーの舌下免疫療法とは?
ダニ(ハウスダスト)アレルギーの治療法の一つに、アレルゲン免疫療法があります。アレルゲン免疫療法は、以前は皮下に注射する皮下免疫療法しかありませんでしたが、近年、舌の下に治療薬を滴下する「舌下免疫療法」が登場しました(ダニについては2015年)。
ダニを含むエキス(治療薬)の量を少量から始めて徐々に増やし、繰り返し服用することによって体を慣らしていくことでアレルギー反応を起こさないように仕向けていき、ダニアレルギーを治癒に導く治療法です。
当院では、ダニアレルギーの舌下免疫療法を行っておりますので、治療をご希望の方は、ご相談ください。
ダニアレルギーの舌下免疫療法の流れ
- 診察・問診・血液検査
- ダニ花粉症かどうかの診察・問診・血液検査
- 診断
- ダニ抗原によるアレルギー性鼻炎の確定診断が必要です。
- 初回投与
- 適応が確認できたら、院内にて初回投与します
(1日目だけは、医師の監督のもと医療機関で服用します)。 - お薬の増量期(3日間)
- 原則として最初の3日間は毎日の服用量が異なりますが、状態に応じてこの期間を延長することがあります。1回100単位を1日1回舌の下に入れて服用を開始します。1回の服用は100単位ずつ、300単位まで増量していきます。
- 維持期(治療は3年以上の継続が勧められています)
- ※ 維持量(決まった量)を毎日、自宅で服用します。
※ 定期的な受診を要します。
費用について
治療は保険適応です。
健康保険が適用となります。
3割負担の方で、初診の場合は、アレルギー検査が必要ですので5,000円程度です。その後の1年間は、2週間に1度通院していただきますので、治療費と薬代を合わせて1ヶ月あたり3,000円程度の負担になります。(副作用等が生じた場合は、別途費用が掛かることがあります)。
治療開始時期について
ダニの治療はいつからでも始められます。
検査でスギ花粉症の可能性が全くないと判断できればいつでも開始できます。スギ花粉症を合併している方については、スギ花粉の飛散期を避けて治療を開始したほうが良いでしょう。
治療期間について
効いているかどうかは、1〜2年経たないとわかりません。効果があれば、合計4〜5年間の治療をお勧めします。短期間で治療を終えると、治療終了後の効果も長くは持続しないと言われます。また、途中で治療を止めると、最初からやり直しとなりますので、根気よく続ける必要があります。
対象年齢
当院では、15歳以上(高校生以上)の方を対象に治療の対応をしております。
対象とならない方
以下の方には治療ができません。
- 重い心臓疾患をもつ方
- 薬でコントロールされていない気管支喘息の方
- がんの治療中、または経過観察中の方
- 妊娠している方や近く妊娠を希望されている方
※ 高血圧のβ遮断薬は、薬の変更後に治療可能です。
舌下免疫療法は、このような患者様にお勧めです
- 治療期間が長期にわたっても、治癒(ダニに対するアレルギーがなくなる)を望む
- 飲み薬やスプレーをしても、症状が軽くならない
- 飲み薬だと、眠気などの副作用がひどい
- 数年内に妊娠の希望や予定は無いが、将来妊娠した際に薬が使えないのが不安